習近平主席が2026年「新年の辞」を表明、半導体突破と世界への開放を強調

2025年大晦日、習近平主席は2026年新年の辞で「両手を広げて世界を歓迎する」と表明。半導体技術の突破を強調しつつ、世界的な動乱への警戒も呼びかけました。中国の対外戦略を分析します。

握手は交わしていますが、その目は世界の動向を鋭く見据えています。中国の習近平国家主席は2025年12月31日、2026年に向けた「新年の辞」を発表しました。世界第2位の経済大国が貿易摩擦や地政学的緊張に直面する中、習氏は中国が「両手を広げて」世界を歓迎すると強調し、融和的な姿勢を示しました。

習近平氏が語る「2026年新年の辞」と中国の対外開放

日経アジアの報道によると、北京で演説した習主席は、複雑化する国際情勢の中で中国が国際社会との連携を深める意向を示しました。一方で、世界的な激動に対して警鐘を鳴らすことも忘れていません。これは、アメリカの次期政権による通商圧力や、周辺地域での軍事的緊張を念頭に置いたものと見られます。

習氏は演説の中で、自国の経済的レジリエンス（回復力）を強調し、特に内需拡大とグローバルな販売戦略の強化を今後の柱として掲げています。

特筆すべきは、習氏が半導体（チップ）分野における「画期的な進展」に触れた点です。西側諸国による輸出規制が続く中、中国が独自の技術自給を加速させていることを誇示しました。しかし、その一方で演説の背景には、最近実施された台湾周辺での軍事演習など、依然として解消されない軍事的緊張が影を落としています。