イスラエルによる37の支援団体ライセンス剥奪：ガザ人道支援の行方

人道支援の灯が、また一つ消えようとしています。イスラエル政府は、ガザ地区およびヨルダン川西岸地区で活動する37の国際NGOに対し、活動許可（ライセンス）を剥奪すると発表しました。対象には、アクションエイド（ActionAid）や国際救済委員会（IRC）、ノルウェー難民評議会（NRC）といった世界的に著名な団体が含まれています。

イスラエルによる支援団体ライセンス剥奪の背景と理由

イスラエル当局によれば、今回の措置は新しい登録規則に基づく要件を満たさなかったことが原因です。特に、スタッフの「完全な」個人データの提出を拒否したことが問題視されています。イスラエルのディアスポラ省は、「人道支援の枠組みをテロ活動に利用されることを防ぐため、従業員の情報の透明性は不可欠だ」と説明しています。

国際社会の反発と人道危機の懸念

この決定に対し、イギリス、フランス、日本を含む10カ国の外相は共同声明を発表し、「制限的で受け入れがたい」と強く批判しました。声明では、NGOの強制的な閉鎖がガザにおける医療などの不可欠なサービスへのアクセスに深刻な影響を及ぼすと警告しています。

一方で、イスラエル軍のガザ検問所を管理するCOGATは、活動停止となる団体は「現在の停戦期間中にガザへ支援物資を運び込んでいない」と指摘。過去の貢献度も全体のわずか1%程度だったと主張し、支援供給への影響は限定的であるとの見解を示しています。