イスラエル・ハイファ、対立を超えて:ユダヤ教とキリスト教が灯した「平和の光」
ガザ戦争を巡りバチカンとイスラエル政府の関係が緊張する中、港湾都市ハイファではユダヤ教徒とキリスト教徒が手を取り合い、信頼構築を目指す草の根の動きが生まれています。
政治の緊張が続く聖地で、ひとすじの希望の光が灯りました。ガザ戦争を巡りバチカンとイスラエル政府の関係が冷え込む中、港湾都市ハイファでは、ユダヤ教徒とキリスト教徒が手を取り合い、宗教間の信頼構築を目指す動きが生まれています。NPRの報道によると、そこでは異なる信仰を持つ人々が共に祝祭を分かち合う光景が見られました。
クリスマスツリーと平和のろうそく
ハイファにある聖ルイ9世教会前で、巨大なクリスマスツリーが点灯されると、集まった人々から歓声が上がりました。このイベントの特筆すべき点は、キリスト教徒だけでなく、多様な背景を持つ市民が参加したことです。マロン派カトリック教会のユーセフ・ヤクーブ神父は、改革派のラビであるナアマ・ダフニ氏を招き、共に平和を祈るろうそくを灯しました。ヤクーブ神父は「私たちは共に、人々のための光と平和、そして幸福を祈っていることを示したかった」と語っています。
歴史の重みと向き合う対話
しかし、この協力関係は平坦な道ではありません。ヤクーブ神父によれば、教会を訪れるユダヤ人の中には、1492年にカトリックのスペインが彼らの祖先を追放した歴史を持ち出す人もいるといいます。神父は、中東のキリスト教徒とヨーロッパの歴史は直接関係ないとしばしば説明するそうです。一方、ダフニ師は「私の家族の経験はホロコーストであり、ヨーロッパのキリスト教徒の反ユダヤ感情です」と述べ、ユダヤ人にとってヨーロッパの歴史は切り離せない記憶であることを強調しました。両者の視点の違いは、対話の難しさと重要性を同時に示しています。
理解への架け橋:ハイファ大学の試み
ヤクーブ神父とダフニ師は、ハイファ大学の宗教間フォーラムに所属しています。この大学では宗教対話の大学院プログラムが運営されており、イマーム、ドルーズ派の女性、ユダヤ人、神父といった多様な学生が共に学んでいます。ギリシャ・カトリック教会のムニール・マザウィ神父は「ここで反ユダヤ主義について初めて深く学んだ」と語り、プログラムが相互理解の場となっていることを明らかにしました。また、講師のカレン・レビソーン氏は、イスラエル国内のユダヤ教徒とキリスト教徒の関係は「非常に繊細だ」と指摘し、政治問題が絡むと事態はさらに悪化すると述べました。
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