ミネアポリス連邦捜査官による市民射殺、なぜ2度目が起きたのか
1か月で2人目の米国市民がICE捜査官に射殺されたミネアポリス。トランプ政権の移民取締り強化の裏で何が起きているのか、現地の声から考える。
1か月で2人目。ミネアポリスで土曜日、集中治療室看護師のアレックス・プレッティさんが連邦移民捜査官に射殺された。この街では今年1月7日にもレニー・ニコール・グッドさんが同様に命を落としている。
教会が避難所に変わった日曜日
創立140年のカルバリー・バプテスト教会では、日曜礼拝の代わりに地域住民への支援活動が行われていた。ボランティアたちがコーヒーや軽食、使い捨てカイロを配り、抗議デモに向かう人々や献花に訪れる人々が立ち寄っていく。
「昨日は完全に参ってしまいました」と話すのは、教会の託児所で働くアン・ホッツさん。「でも支援者たちも本当に疲れています。変化が必要です」
教会管理者のディーン・コールドウェル=タウジェス氏は、ICE(移民・関税執行局)の活動を警告するホイッスルを配りながら「これが今のアメリカの姿です」と語った。
トランプ政権の「公安作戦」の実態
トランプ大統領は昨年12月、民主党が支配するミネソタ州に数千人の捜査官を派遣する移民取締り強化作戦を命じた。政権側は「不法滞在する犯罪者の強制送還」を目的とした公安作戦だと説明している。
国土安全保障省は、プレッティさんが拳銃を所持して抵抗したため正当防衛で発砲したと発表した。しかし目撃者や遺族は「手にしていたのは携帯電話で武器ではない」と証言し、政権の説明を「おぞましい嘘」と批判している。
ティム・ウォルツ州知事は「訓練不足の3000人の捜査官を即座に撤退させるべきだ」と要求。トランプ大統領はウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューで「いずれは撤退する」と述べたが、具体的な時期は明言しなかった。
分裂する世論と現場の声
全米世論調査では、不法滞在者の強制送還自体には約半数が支持を示している。しかし今月のポリティコ調査では、同じく約半数が「作戦が過度に攻撃的」と回答している。
現地では連日抗議デモが続いている。「ICE OUT」のプラカードを掲げるフェリックス・ジョンソンさんは「市民を動物のように扱うなんて理解できない」と憤る。
一方で、退役軍人の男性は「Veterans Against ICE」の看板を持ちながらこう語った。「私は自由を守るために軍に入った。今見ているのはその正反対です。恐ろしいことです」
日本から見た移民政策の複雑さ
日本も外国人労働者の受け入れ拡大を進める中、アメリカの強硬な取締り作戦は対照的に映る。技能実習生制度の見直しや特定技能制度の運用において、人権と安全保障のバランスをどう取るかは日本にとっても重要な課題だ。
69歳の地元住民ペジ・ミラーさんの言葉が印象的だった。「抗議するのに疲れました。なぜこんなことが起きているのか、なぜ私たちは黙認しているのか理解できません」
記者
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