韓国経済「1%成長」の現実:専門家の54%が予測する低成長時代
韓国の経済専門家100人の調査で54%が2026年の成長率を1%台と予測。AI活用と技術流出防止が焦点に。アジア経済への影響を分析。
韓国経済の専門家100人のうち54%が、同国の経済成長率が当面1%台にとどまると予測している。韓国企業連合会(KEF)の依頼でサザンポスト社が実施した調査結果が25日に発表され、アジア第4位の経済大国の成長鈍化が鮮明になった。
専門家が描く成長シナリオ
調査に参加した経済学教授らは、韓国経済の2026年成長率について平均1.8%と予測した。これは政府目標の2%、国際通貨基金(IMF)の1.9%予測を下回る数字だ。韓国経済は2025年に1%成長にとどまり、前年の2%から大幅に減速している。
興味深いのは、専門家の36%が2027年から消費と需要の段階的回復により2%台成長に回復すると見込んでいる点だ。一方で6%は1%を下回る成長になると悲観的な見方を示した。
為替レートについては、ウォン・ドル相場が1,403ウォンから1,516ウォンの範囲で推移すると予想されている。この予測は、韓国経済の対外依存度の高さと、米国との貿易関係の重要性を反映している。
貿易摩擦とAI革命の狭間で
専門家の約60%が、米韓関税交渉の結果が対米輸出と国内企業投資にマイナス影響を与えると懸念を示した。これは、韓国経済が直面する構造的課題を浮き彫りにしている。輸出依存度の高い韓国にとって、主要貿易相手国との関係悪化は成長率に直結する問題だ。
一方で、人工知能(AI)の職場での活用については92%が肯定的な見方を示している。特に製造業での労働力不足の代替と生産性向上に期待が集まっている。これは日本が直面する労働力不足問題と類似しており、AI技術の実用化が東アジア経済圏全体の課題解決の鍵となる可能性を示唆している。
技術覇権と経済安保の新局面
専門家の90%近くが、半導体をはじめとする核心技術の海外流出防止に向けた政府の効果的措置を求めている。違反に対する厳格な処罰も含めた包括的な対策が必要だという認識が広がっている。
これは単なる経済政策を超えた国家安全保障の問題でもある。サムスン電子やSKハイニックスなどの韓国半導体企業は、米中技術覇権競争の最前線に立たされており、技術保護と国際協力のバランスが求められている。
日本企業にとっても、韓国の技術政策は無関係ではない。ソニーの半導体事業や東京エレクトロンの製造装置事業など、韓国市場との関係が深い日本企業は、韓国の技術保護政策の動向を注視する必要がある。
記者
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