ミネアポリスで連邦捜査官がまた発砲、移民取締りで3人目の死者
トランプ政権の移民取締り強化でミネアポリスの連邦捜査官が市民を射殺。州知事は「作戦中止」を要求し、地方と連邦政府の対立が激化している。
3週間で3人目。ミネアポリスで1月24日、移民取締り作戦中の連邦捜査官が市民を射殺した。トランプ政権が「史上最大の強制送還作戦」として展開する移民取締りで、地方政府との対立が決定的な局面を迎えている。
何が起きたのか
国土安全保障省によると、国境警備隊員が拳銃を持った人物を制圧しようとした際、発砲に至ったという。ソーシャルメディアに投稿された映像では、複数の連邦捜査官が一人の人物を地面に押さえつけた後、銃声が響く様子が記録されている。
これは今月だけで3件目の連邦捜査官による発砲事件だ。1月上旬には移民・関税執行局(ICE)の職員が女性のレニー・ニコル・グッドさんを車内で射殺。先週にはベネズエラ人男性も連邦捜査官に撃たれている。
ティム・ウォルツミネソタ州知事は「恐ろしい銃撃事件」と呼び、ホワイトハウスに直接抗議した。「ミネソタはもう限界だ。大統領はこの作戦を終わらせなければならない。訓練不足で暴力的な数千人の職員をミネソタから撤退させろ」とXで厳しく批判している。
連邦vs地方の全面対立
トランプ政権は移民取締り強化の一環として、ICEや国境警備隊をミネアポリスに大量投入している。しかし地元住民や選出議員は「武装した職員の存在が市民の安全を脅かしている」と強く反発している。
エイミー・クロブシャー上院議員(民主党)は「トランプ政権と沈黙を守る共和党議員たちへ:今すぐICEを我が州から撤退させろ」と要求。ミネアポリス市も住民に「冷静さを保ち、現場周辺を避けるよう」呼びかけている。
現場では抗議デモが発生し、催涙ガスが使用される中、厳重な警備体制が敷かれた。前日の23日には数千人が街頭行進を行い、数百の地元企業がゼネストに参加していた。
2020年の記憶が蘇る街
ミネアポリスは2020年、ジョージ・フロイドさんが警察に殺害された事件で全米規模の抗議運動の震源地となった都市だ。アルジャジーラのハイディ・ジョウ・カストロ記者は「この街は『火薬庫』のような状況」と表現し、「トランプと連邦当局、そしてミネソタの地方・州当局の真正面からの対立」と分析している。
日本から見ると、アメリカの連邦制度の複雑さが浮き彫りになる事案でもある。中央政府の政策に地方政府が公然と反旗を翻す状況は、統一性を重視する日本社会では想像しにくい光景だろう。
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