スイス クラン・モンタナ火災から10日、追悼の日に店主を拘束。40人の命を奪った「防げた惨劇」の全容
スイスのクラン・モンタナ火災から10日、国家追悼の日にバーの店主が拘束されました。40人の若者が犠牲となった背景には、5年間にわたる安全検査の放置と、可燃性素材の使用という致命的な過失がありました。最新の捜査状況を詳報します。
「それは地獄そのものでした」。静寂に包まれたスイスのスキーリゾート、クラン・モンタナが、深い悲しみと激しい怒りに震えています。新年を祝うはずの夜に起きたバーでの火災から10日。スイス全土で犠牲者を悼む鐘が鳴り響く中、事件は大きな局面を迎えました。
クラン・モンタナ火災の惨状と国家的な追悼
2026年1月10日、スイス各地の教会で鐘が鳴り響き、ナショナル・モーンニング(国家追悼の日)が執り行われました。昨年末の除夕、バー「ル・コンステレーション」で発生した火災により、40人もの若者が命を落としました。マルティニで行われた公式式典には、遺族や負傷した生存者のほか、自国民が犠牲となったフランスやイタリアの首脳も参列しました。
生存者の一人、マリーさんは式典で「氷のような寒さの中に響き渡る悲鳴、焼ける臭い。まさに黙示録的な光景(アポカリプティック)でした」と、悪夢のような夜を振り返りました。負傷者の中には顔に深刻な火傷を負った若者も多く、医師は彼らの回復を「再誕生」への長い道のりと表現しています。
拘束されたオーナーと浮き彫りになる過失
追悼式典の余韻が残る中、事態は急展開を見せました。スイス検察当局は、バーのオーナーであるフランス国籍のジャック・モレッティ氏を拘束したと発表しました。当局は逃亡の恐れがあると判断しており、妻のジェシカ氏と共に、業務上過失致死傷および過失放火の疑いで捜査を進めています。
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は「これは単なる事故ではなく、職務を怠った者たちによる人災だ」と厳しく批判。火災発生時に音楽が止められなかったことや、避難誘導の欠如を疑問視しています。
「人災」の証拠と5年間の空白
捜査が進むにつれ、衝撃的な事実が明らかになりました。出火の原因は、シャンパンボトルに取り付けられた「スパークラー(花火)」が天井に触れたことと見られています。天井には安全テストを受けていない防音用フォームが貼られており、一気に燃え広がりました。さらに、非常口がブロックされていた疑いも浮上しています。
地元当局は、過去5年間にわたって義務付けられていた安全検査を実施していなかったことを認めました。バー内部は一時1,000度を超える高温に達していたと報告されており、防げたはずの不備が被害を拡大させた可能性が濃厚です。
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