習近平氏、中国「第15次5カ年計画」の総力的遂行を指示 2026-2030年の成長へ
習近平国家主席が2026-2030年の「第15次5カ年計画」の総力的遂行を指示。不動産不況や若年失業率などの課題に直面する中、技術自立と市場統合を加速させる中国の戦略を分析します。
目標は達成しましたが、手綱を緩める気配はありません。中国の習近平国家主席は、2026年1月20日、地方幹部らに対し、新たな中期経済計画である「第15次5カ年計画(2026-2030年)」の包括的かつ厳格な実行を命じました。世界第2位の経済大国が、内外の複雑な課題に直面する中で、新たな5年間のスタートを切りました。
第15次5カ年計画 2026-2030 の包括的実施と課題
北京の中央党校で開催されたこの学習会は、昨年10月に採択された開発目標を、どのように現場へ浸透させるかを議論する重要な場となりました。習近平氏は、「全体像を把握し、どの項目も疎かにしてはならない」と述べ、政策の「質」と「確実な遂行」を強調しました。これは、地方政府による恣意的な解釈や、形式的な実施を牽制する狙いがあると見られます。
中国は昨年、5%の経済成長目標を達成しましたが、足元では深刻な課題が山積しています。長引く不動産不況、投資家や消費者のマインド冷え込み、そして高い若年失業率が、経済の重石となっています。新華社通信によると、習氏は「何が目的で、なぜ提案され、どのように実現すべきかを深く理解せよ」と、幹部らの自覚を促しました。
技術的ボトルネックの解消と市場保護主義の撤廃
今回の指示で特に注目すべきは、戦略的な優先事項の明確化です。北京当局は、技術的な「ボトルネック」を解消するための国家総動員体制の強化を掲げています。これは、欧米による対中輸出規制を背景とした、ハイテク分野での自立自給路線の加速を意味します。
また、国内市場における過度な価格競争(いわゆる「内巻き」)を抑え、地方保護主義を撤廃して「統一された国内市場」を構築することも、今期の重点項目です。これにより、国内の経済循環を効率化し、外圧に対する耐性を高める狙いがあります。
記者
関連記事
中国山西省の炭鉱で爆発事故が発生し、少なくとも90人が死亡。2009年以来最悪の惨事が示す、安全管理の構造的課題とエネルギー政策のジレンマを読み解く。
フランスがアフリカの民間セクターに2兆9000億円を投資。中国の影響力に対抗し、欧州の存在感を再構築しようとするマクロン大統領の戦略を多角的に読み解きます。
中国の職業高校で義務付けられたインターンシップ制度。16〜17歳の学生が過酷な労働環境で命を落とした事例が報告され、国際社会と企業の責任が問われています。日本企業のサプライチェーンにも無縁ではありません。
イラン戦争による石油供給混乱の中、中国・新疆ウイグル自治区の石炭化学産業が急拡大。エネルギー安全保障と環境目標の間で揺れる中国の戦略を読み解く。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加