中国の海外融資モデルが激変:5000億ドルの膨張から「リスク回避」の時代へ
中国の海外融資モデルが激変しています。5000億ドルの膨張から、2026年にはリスク管理を徹底する構造改革へ。スリランカやケニアの事例から見える、中国政策銀行の慎重な新戦略を分析します。
かつて世界最大の債権国として君臨した中国の対外融資戦略が、いま大きな転換点を迎えています。2008年から2021年までの間に、中国輸出入銀行と中国国家開発銀行(CDB)は合計で約5000億ドルもの資金を供給してきました。これは世界銀行の総融資額の83%に匹敵する規模ですが、コロナ禍以降の債務不履行(デフォルト)の連鎖により、その手法は極めて慎重なものへと姿を変えています。
中国の海外融資 2026 構造改革:インフラ主導からの脱却
これまでの中国モデルは、国有企業(SOE)がインフラ建設を請け負い、政策銀行がその資金を融資するという構造でした。しかし、この仕組みには致命的な「リスクの不均衡」が隠れていました。国有企業は5年以内の工事期間中に報酬を得て利益を確定させる一方、政策銀行は15年から30年にわたる長期的な回収リスクを背負うことになったのです。
スリランカやザンビアなど、50カ国以上が深刻な債務危機に陥る中、中国の政策銀行は莫大な損失を回避するため、IMF(国際通貨基金)の基準に準じた債務再編に応じざるを得なくなりました。これにより、かつての強気な融資姿勢は影を潜めています。
「小さく美しい」プロジェクトへのシフトと条件の厳格化
具体的な変化はすでに現れています。スリランカの中央高速道路プロジェクトでは、当初の融資約束額9億8900万ドルに対し、再編後は約半分の5億ドルまで削減されました。さらに、通貨は米ドルから人民元(RMB)へ切り替えられ、金利も固定から変動制へと変更されるなど、銀行側のリスク管理が大幅に強化されています。
ケニアの標準軌鉄道(SGR)延伸計画が停滞していることも、この「慎重姿勢」を裏付けています。中国はもはや地政学的な影響力拡大だけでなく、純粋な「商業的利益」と「債務の持続可能性」を最優先するフェーズに移行したと言えるでしょう。
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