バイトダンス「豆包」が中国AIアプリ市場を席巻、週間ユーザー1.55億人で独走

週間アクティブユーザー数1億5500万人――。中国のAIアプリ市場で、巨大テック企業がスタートアップを圧倒する構図が鮮明になりました。ビジネスインテリジェンス企業QuestMobileが火曜日に発表したデータによると、TikTokの親会社であるバイトダンスが所有するAIチャットアプリ「豆包（Doubao）」が、12月第2週時点で中国国内トップの座を維持しました。

巨大テックの圧倒的な力

QuestMobileの報告書は、中国の消費者向けAI市場における競争の現状を浮き彫りにしています。「豆包」の週間アクティブユーザー数は1億5500万人に達し、市場2位のスタートアップ「DeepSeek」が記録した8156万人の約2倍にものぼります。この数字は、既存の巨大なユーザー基盤と資金力を持つ大手テック企業が、いかに新興のAI市場でも優位に立っているかを示しています。

スタートアップの苦戦と市場の今後

中国では多くのスタートアップが独自の大規模言語モデル（LLM）を開発し、市場に参入していますが、ユーザー獲得の面で苦戦しているのが実情です。「豆包」のようなアプリは、バイトダンスが持つ既存のプラットフォームを通じて大規模なプロモーションが可能であり、これがスタートアップとの決定的な差になっていると見られます。技術力だけでなく、マーケティングとエコシステムの力が勝敗を分ける構図は、今後さらに強まる可能性があります。