ブルガリアのユーロ導入2026：欧州21番目の加盟国が直面する期待と不安

2026年1月1日、ブルガリアがユーロ圏に21番目の加盟国として参加します。交換レート1.95583レフで移行が進む一方、国民の約半数が反対する世論の分断や物価上昇への懸念が課題となっています。

期待の裏には根強い不信感があります。ブルガリアは明日、2026年1月1日付でユーロ圏の21番目のメンバーとなります。インフレへの懸念や政治的な混乱が続くなかでの、大きな転換点を迎えています。

ブルガリアユーロ導入 2026 の背景と経済的影響

ロイター通信によると、今回の加盟によりユーロを使用する欧州市民は3億5,600万人に増加します。単一通貨圏が初めて黒海地域まで地理的に拡大することになります。ブルガリアは2007年にEU（欧州連合）に加盟しましたが、経済基準を正式に満たしたのは2025年1月のことでした。

交換レートは1ユーロ＝1.95583レフに固定されています。実店舗ではすでにレフとユーロの両方の価格が表示されており、この併記は2026年8月まで続けられる予定です。移行をスムーズにするため、旧通貨のレフは1月31日まで使用可能とされています。

しかし、すべての国民がこの変化を歓迎しているわけではありません。アルファ・リサーチが2025年5月に実施した調査では、賛成が46.5%、反対が46.8%と、世論は真っ二つに割れています。特に地方都市や年金受給者の間では、物価上昇や購買力の低下を恐れる声が根強く残っています。

政治的な不安定さも影を落としています。ブルガリアでは過去4年間に7回もの総選挙が行われ、汚職疑惑や政府への不信感が改革の足かせとなってきました。また、ロシアの影響を受けたとされる偽情報の拡散も、国民の不安を煽る要因として指摘されています。