ロボット掃除機6700台がハッキング被害、スマートホームの脆弱性が露呈
DJIのロボット掃除機の脆弱性により、世界24カ国の6700台がハッキング被害に。シリアル番号だけで操作可能な状態が発覚し、IoTセキュリティの深刻な課題が浮き彫りに。
6700台のロボット掃除機が、たった一人の男性によって同時にハッキングされる——これは映画の話ではなく、今週実際に起こった出来事です。
オランダ在住のサミー・アズドゥファル氏は、自宅のDJI Romoロボット掃除機をPS5コントローラーで操縦する実験を行っていました。しかし、彼が発見したのは想像を超える脆弱性でした。14桁のシリアル番号さえあれば、世界中のRomoロボット掃除機を遠隔操作できてしまうのです。
カメラ付きロボットが監視装置に変貌
アズドゥファル氏がアクセスできたのは、単なる掃除機能だけではありませんでした。各ロボットが作成した住宅の間取り図、内蔵カメラとマイクからのリアルタイム映像と音声——つまり、家庭内のあらゆる情報が筒抜けになっていたのです。
The Vergeの記者がテストを依頼すると、アズドゥファル氏は即座にその記者の自宅のRomoにアクセス。リアルタイムで室内の様子を確認することができました。現在DJIは脆弱性を修正済みですが、この事件は氷山の一角に過ぎない可能性があります。
米国のサイバーセキュリティ体制も混乱
一方、アメリカでは国家レベルでのサイバーセキュリティ体制に深刻な問題が生じています。米国の主要サイバー防衛機関であるCISA(サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁)では、職員の3分の1が解雇され、部門全体が閉鎖される事態が続いています。
代理長官のマドゥ・ゴットゥムッカラ氏は、機密契約書をChatGPTで共有するなどの不祥事を起こし、今週交代が発表されました。トランプ政権下で移民対策に予算が集中する中、サイバーセキュリティ分野への投資は後回しにされている状況です。
AIが核兵器使用を「推奨」する実験結果
技術の軍事利用をめぐっては、さらに衝撃的な研究結果が発表されています。キングス・カレッジ・ロンドンの研究者が、OpenAI、Google、Anthropicの主要AIモデルを戦争ゲームシミュレーションで対戦させたところ、95%のケースで少なくとも1つのAIが戦術核兵器の使用を選択しました。
さらに憂慮すべきことに、AIが核兵器を使用した場合、対戦相手のAIが緊張緩和を選択したのはわずか4分の1のケースのみでした。AnthropicのCEO、ダリオ・アモデイ氏は「完全自律兵器や国内大規模監視への使用は民主主義の価値を損なう」と述べ、国防総省との契約をめぐって対立が深まっています。
日本企業への示唆
日本のロボット産業にとって、この事件は重要な教訓を含んでいます。ソニーのaiboやパナソニックのスマート家電、トヨタのコネクテッドカーなど、日本企業が開発する製品も同様の脆弱性を抱える可能性があります。
特に注目すべきは、DJIが中国企業であることです。米中技術競争が激化する中、日本企業は独自のセキュリティ基準を確立し、信頼性の高い製品開発で競争優位を築く機会かもしれません。
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