12月26日は「ボクシングデー」。格闘技ではなく「箱」が由来の祝日を知っていますか？

格闘技の試合が行われる日だと思っていませんか？実は違います。12月26日は、イギリスやイギリス連邦諸国で祝われる「ボクシングデー（Boxing Day）」です。その名前は拳闘（ボクシング）からではなく、寄付や贈り物を入れる「箱（Box）」に由来しています。

ビクトリア女王時代に定着した「箱」の伝統

歴史家によると、この祝日の起源は中世にまで遡りますが、公式な祝日となったのはビクトリア女王の統治時代です。教会がクリスマス翌日に寄付箱を開け、貧しい人々に分け与えた習慣や、雇い主が奉公人に贈り物や現金を詰めた箱を渡して休暇を与えたことが始まりとされています。

ショッピングとスポーツの日に変化

現代のボクシングデーは、大規模なセールが行われる一年で最も忙しいショッピングデーの一つとして知られています。しかし、最近ではその勢いに変化が見られます。カンター・リテールのリサーチによると、ブラックフライデーやサイバーマンデーの普及により、消費者の関心が分散し、ボクシングデー特有のセール効果は以前より薄れていると分析されています。

スポーツ面では、伝統的なキツネ狩りが行われてきましたが、動物愛護団体からの強い反発もあり、現在は議論の対象となっています。一方、アイルランドでは「ミソサザイの日」とも呼ばれ、子供たちが模造の鳥を持って近所を回る独自の文化が残っています。