尹錫悦前大統領、戒厳令の口実とする北朝鮮へのドローン派遣疑惑を全面否定 - トランプ氏との通話を証拠に

聯合ニュースによると、韓国の尹錫悦（ユン・ソンニョル）前大統領は12月23日の非公開審理で、失敗に終わった戒厳令布告の口実を作るために北朝鮮にドローンを送り込んだとする疑惑を否定しました。尹氏は自身の主張を裏付けるため、当時の米大統領当選者であったドナルド・トランプ氏との電話会談の内容に言及しました。

この審理は、尹氏の勾留延長を決定するために開かれたものです。彼は昨年10月に平壌へドローンを派遣したとされる敵国利得罪および職権乱用の容疑で追起訴されています。特別検察官チームは、この作戦が北朝鮮の報復を誘発し、それを昨年12月3日の戒厳令宣言の口実として利用することを目的としていたと主張しています。

法廷での主張：尹氏 vs 特別検察官

尹前大統領側の反論

報道によると、尹氏は法廷で自ら発言し、ドローン作戦や攻撃に関する報告を一切受けておらず、自身の知らないところでそのような行動が起こるはずがないと主張。「敵国利得罪は成立し得ない」と述べました。

さらに尹氏は、昨年11月にトランプ氏の選挙勝利後に行われた10分間の電話会談に言及。その中で、北朝鮮によるゴミ風船の韓国への飛来について議論したと説明しました。尹氏はトランプ氏に対し、「北朝鮮の挑発が死傷者を出すに至らない限り、『戦略的忍耐』政策を堅持する」と伝えたと述べ、これがドローン派遣のような挑発的行動と矛盾すると示唆しました。

特別検察官側の主張

一方、チョ・ウンソク特別検察官のチームは、尹氏が犯したとされる罪の重大性、証拠隠滅や逃亡の恐れを理由に、勾留を継続する必要があると主張しました。また、元大統領という政治的影響力を考慮すると、釈放が裁判に重大な影響を与える可能性があると指摘。尹氏が共犯者とされる人物に圧力をかける懸念も表明しました。

今後の司法手続き

裁判所は、書面提出後に勾留延長に関する決定を下す見込みです。また、これとは別に、戒厳令布告を通じて内乱を主導したとする罪状に関する裁判も進行中です。