ブリジット・バルドー 逝去 91歳：ヌーヴェルヴァーグの象徴が遺した功罪

フランス映画界の伝説であり、世界的なファッションアイコンでもあったブリジット・バルドー氏が、2025年12月28日、91歳で亡くなりました。彼女の設立した動物愛護団体「ブリジット・バルドー財団」が発表した声明によると、バルドー氏はかつての華やかなキャリアを捨てて捧げた動物福祉活動の最中に息を引き取ったとのことです。フランスの「ヌーヴェルヴァーグ」運動を象徴するスターの死に、世界中から追悼の意が寄せられています。

ブリジット・バルドー 逝去 91歳：映画とファッションに与えた革命的影響

バルドー氏は、1950年代から1960年代にかけて、ジャン＝リュック・ゴダール監督の『軽蔑』などの名作に出演し、性の解放を象徴するアイコンとして君臨しました。彼女がカンヌ国際映画祭で着用したビキニや、両肩を露出させる「バルドー・ネックライン」は当時のトレンドとなり、現代のファッションにもその影響は深く根付いています。しかし、彼女は人気絶頂の39歳で俳優業を引退し、その後は動物愛護活動家として第2の人生を歩んできました。

物議を醸した晩年と社会への影響

一方で、彼女の晩年は多くの論争に包まれていました。ロイター通信などが報じるところによれば、バルドー氏は過去に人種差別を助長する発言を繰り返したとして、フランス当局から複数回にわたり数千ドル規模の罰金刑を科されています。また、#MeToo運動を批判したり、保守的な政治姿勢を鮮明にしたりするなど、その言動はしばしば激しい批判の対象となりました。死の数週間前には、重病の治療のために手術を受けていたことも報じられていましたが、本人はSNSで「自分は元気だ」と最期まで力強いメッセージを発信し続けていました。