中国 国家標準中国語 普及法 2025：25年ぶりの改正で「国家安全」の柱へ

25年ぶりに言語のあり方が塗り替えられます。中国政府は、国家標準語である中国語（普通話）の普及を国家安全保障の一環と位置づけ、その使用を妨げる行為に法的措置を講じる新たな法案を公開しました。これは単なる言語政策ではなく、習近平国家主席が掲げる「中華民族共同体意識」の強化に向けた重要な布石と見られています。

中国 国家標準中国語 普及法 2025 の施行と法的義務

サウスチャイナ・モーニング・ポスト（SCMP）によると、全国人民代表大会（全人代）常務委員会は先週、「民族団結進歩促進法」の草案を第2回審議にかけました。この草案は2026年1月25日までパブリックコメントを募る予定です。一方、25年ぶりに改正された「国家通用語言文字法」はすでに可決されており、2026年1月1日から施行されます。

今回の改正では、標準中国語の使用を妨害する個人や団体に対して法的責任を問うことが明記されました。当局は、共通言語の普及が国家の統一、経済発展、そして民族的に多様な地域の安定に不可欠であると主張しています。

少数民族地域への影響と国際的な懸念

この動きに対し、国際社会からは注視の目が向けられています。特にチベットや新疆ウイグル自治区などの少数民族地域において、固有の言語や文化が浸食されるのではないかという懸念が広がっています。人権団体などは、この法律が地域独自のアイデンティティを弱め、同化政策を加速させる可能性があると指摘しています。