トランプ大統領、イランへの追加軍事行動を示唆：2025年12月の緊迫する中東情勢

握手は交わされましたが、その手には拳が握られていました。 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、イランが核開発やミサイル能力を再構築した場合、さらなる軍事行動を検討する姿勢を明らかにしました。これは中東における地政学的緊張が再び最高潮に達しつつあることを示唆しています。

トランプ大統領 イラン軍事行動の可能性を否定せず

2025年12月29日、フロリダ州パームビーチの別荘マル・ア・ラーゴにて、トランプ大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相を迎えました。記者団に対し、トランプ氏は2025年6月に実施されたイランの核施設3カ所への空爆に続く、追加攻撃の可能性を否定しませんでした。トランプ氏は「イランが再び再建を試みていると聞いている。もしそうなら、我々は彼らを叩き潰さなければならない」と強い言葉で警告しました。

特に注目すべきは、ミサイル開発と核開発に対する温度差です。イスラエルによるイランのミサイル計画への攻撃をアメリカが支持するか問われると、トランプ氏は「ミサイルを継続するならイエスだ。核なら、即座に（Immediately）だ」と述べ、核兵器保有を阻止するためには即時の軍事介入も辞さない構えを見せました。これに対し、イラン側は一貫して核計画は民間エネルギー目的であると主張しています。

繰り返される対立とエスカレーションの懸念

今回の強硬発言の背景には、12日間戦争とも呼ばれる6月の衝突があります。当時、イランはイスラエルによる高官殺害への報復として数百発のミサイルを発射し、アメリカは停戦を発表する前にイランの核施設を破壊しました。しかし、クインシー研究所のトリタ・パルシ氏などの専門家は、再び攻撃が行われればイランの反撃は「より激しいものになるだろう」と警告しています。

トランプ政権は最近、外交資源の焦点を中東から西半球へ移すという国家安全保障戦略を発表したばかりですが、今回の発言はその方針とは裏腹に、再び泥沼の紛争に引き込まれるリスクを孕んでいます。トランプ氏は「彼らがディール（取引）を望むなら、その方が賢明だ」と述べ、交渉の席に着くよう促していますが、緊張緩和の兆しは見えていません。