ネタニヤフ首相とトランプ大統領がフロリダで会談へ：2025年の中東情勢を占う5度目の訪問

握手は交わしていますが、その下では互いに拳を握りしめているのかもしれません。イスラエルのネタニヤフ首相が、2025年12月28日（現地時間）、トランプ大統領と会談するため再び訪米しました。中東全域で緊張が最高潮に達する中、両首脳はフロリダ州の「マアラゴ」リゾートで月曜日に顔を合わせる予定です。

ネタニヤフ トランプ 会談 2025：10ヶ月で5度目の異例の頻度

今回の訪問は、ネタニヤフ首相にとってこの10ヶ月間で5回目の訪米となります。これは世界のどの首脳よりも多い回数であり、トランプ政権との密接な関係を物語っています。トランプ大統領は過去に駐イスラエル大使館のエルサレム移転やゴラン高原の主権承認など、イスラエル右派政権に寄り添う政策を次々と打ち出してきました。

しかし、その関係は常に順風満帆だったわけではありません。トランプ大統領は、2020年の大統領選後にネタニヤフ首相がバイデン氏に祝辞を送ったことに激怒した過去があります。現在の両者の間には、ガザ地区の統治やシリア情勢、さらにはトルコや湾岸諸国との連携を巡り、微妙な「亀裂」も見え隠れしています。

ガザ停戦と対イラン戦略を巡る火種

今回の会談で最も注目されるのは、ガザ停戦の第一段階を完遂させるための議論です。米国側はルビオ国務長官を中心に、戦闘停止から長期的な統治・復興へと移行する「20項目の平和プラン」を推進しています。これに対し、イスラエルのカッツ国防相がガザへの再入植を示唆するなど、米国の計画と矛盾する動きを見せており、両首脳がどこまで足並みを揃えられるかが焦点となります。

また、イランによるミサイル能力の再構築も大きな懸念事項です。ネタニヤフ首相はトランプ大統領に対し、イランへのさらなる攻撃の必要性を説く構えですが、トランプ氏は「平和の先導者」としてのイメージを重視しており、新たな戦火を拡大させることに慎重な姿勢を示す可能性も指摘されています。