ウクライナ和平交渉、米仲介で新提案か ゼレンスキー大統領は期待感、ロシアは慎重姿勢
ゼレンスキー大統領が米国のクシュナー氏らとの協議後、和平への「新たなアイデア」に期待を示した。米・ウクライナが合意した20項目の和平案に対し、ロシアは慎重に分析中。しかし、現場では戦闘が続いており、交渉の先行きは不透明だ。
和平への対話が進む一方で、前線では砲火が鳴り止みません。ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日、ロシアとの戦争終結に向けた米国特使との協議について、「真の平和を近づけるための新たなアイデア」が得られたと前向きな評価を示しました。しかし、ロシア側は提案を「分析中」としており、外交努力と軍事衝突が交錯する複雑な状況が続いています。
米国仲介の「20項目和平案」
ゼレンスキー大統領は木曜日、米国の不動産開発業者スティーブ・ウィットコフ氏とドナルド・トランプ前大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏と約1時間にわたる電話会談を行いました。この協議は、フロリダで米国とウクライナの特使が合意した20項目からなる更新版の和平案について議論するものでした。
この和平案には、ウクライナ東部からの軍隊の撤退と非武装地帯の設置、ロシアが再侵攻した場合に米国やNATOが協調して軍事対応を行う安全保障、そしてドンバス地域の「自由経済圏」構想などが含まれていると報じられています。ゼレンスキー大統領は、「まだデリケートな課題は残っている」としつつも、米国チームと協力して実現可能との見方を示しました。
ロシアの反応と止まらない戦闘
一方、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアの特使が持ち帰った提案を「分析している」と述べるにとどまり、慎重な姿勢を崩していません。「国家元首の決定次第で、米国との対話を続ける」としています。
こうした外交的な動きとは裏腹に、現地の戦闘は激化しています。ウクライナ軍は木曜日、ロシア南部ロストフ州にある主要なノヴォシャフチンスク製油所を巡航ミサイルで攻撃したと発表しました。一方、ロシア国防省は、ドネツク州の集落スビャト・ポクロフスケを制圧したと主張しています。
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