『IT』俳優ジェームズ・ランソン、知られざる英雄伝。性的暴行から女性を救った一夜がネットで話題に

ホラー映画の登場人物として記憶されている俳優が、実は現実世界のヒーローだったとしたら？先日46歳で亡くなった俳優ジェームズ・ランソン氏について、彼の元隣人であるモリー・ワッツ氏がInstagram上で衝撃的な過去を告白し、大きな反響を呼んでいます。それは、ランソン氏が性的暴行の危機にあった彼女を、身を挺して救ったというものでした。

「助けて」悲鳴を聞きつけたヒーロー

エンターテインメント・ウィークリー誌の12月23日の報道によると、ワッツ氏の投稿は12月22日月曜日に行われました。彼女は当時、ニューヨークのチャイナタウンでランソン氏と隣人でした。ある夜、アパートの入り口で何者かに襲われ、「助けて」と叫んだものの誰も来てくれなかったといいます。犯人に首を絞められ、意識が遠のき死を覚悟した瞬間、彼女の悲鳴を聞きつけたのがランソン氏でした。

ランソン氏のこの勇敢な追跡のおかげで、警察は後に犯人を特定。常習的な性犯罪者だったことが判明し、逮捕につながりました。ワッツ氏は「PJが私を救ってくれたのです」と感謝を綴っています。

伝えられなかった感謝と、ヒーローが抱えた痛み

ワッツ氏は、「あの夜、彼が駆けつけてくれなかったら、私の人生はどうなっていたか分かりません」と述べ、もっと早く彼に直接感謝を伝えなかったことを後悔していると心境を明かしました。この感動的なエピソードには、さらに胸を打つ背景があります。ワッツ氏が指摘するように、ランソン氏自身もまた、幼少期に性的虐待の被害者であったと公言していたのです。

他者の痛みに寄り添い、危険を顧みずに行動したランソン氏。彼の死後、妻のジェイミー・マクフィー氏や、ワッツ氏のような人々によって語られるエピソードは、彼がスクリーンの中だけでなく、現実世界でも多くの人々に影響を与えた人物であったことを物語っています。