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HYBE新グループKATSEYEマノン、デビュー前の「クィア写真」が炎上。なぜ海外ファンは彼女を擁護するのか?
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HYBE新グループKATSEYEマノン、デビュー前の「クィア写真」が炎上。なぜ海外ファンは彼女を擁護するのか?

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HYBEの新グループKATSEYEメンバー、マノンのデビュー前写真が物議。しかし海外では擁護の声が多数。K-POPのグローバル化が直面する文化的衝突を専門家が分析。

デビュー直前に浮上した「スキャンダル」

BTSを擁するHYBEと米Geffen Recordsが共同で立ち上げたグローバルガールズグループ「KATSEYE」。そのデビューメンバーであるマノンの過去の写真が、韓国のオンラインコミュニティを中心に大きな物議を醸しています。問題となっているのは、彼女がモデルとして活動していた時期の、同性との親密さを表現した芸術的な写真です。一部ではこれを「レズビアン・フォトシュート」と呼び、アイドルのイメージにそぐわないとして批判的な声が上がりました。しかし、この一件は単なる炎上騒ぎでは終わりませんでした。むしろ、K-POPのグローバル化が直面する文化的な断層を浮き彫りにする、象徴的な出来事となっています。

なぜこの話題はバイラル化したのか?

  • テーマの敏感さ:写真がクィア(LGBTQ+)なテーマを扱っており、保守的な価値観を持つ層からの反発を招いた。
  • 期待値の高さ:HYBEが手がける「初のグローバルガールズグループ」という巨大プロジェクトのメンバーであったため、注目度が極めて高かった。
  • 文化的価値観の衝突:韓国国内のネットユーザーの反応と、欧米を中心とする海外ファンの反応が真っ向から対立し、議論を巻き起こした。
  • アイドルの「純粋性」という概念:デビュー前のアイドルの過去、特にセクシュアリティや芸術表現に関する事柄が、K-POP特有の厳しい基準で評価された。

何が起こったのか?詳細と背景

デビュー前の芸術活動が「問題視」される

スイス出身でモデルとしても活動していたマノン。彼女がKATSEYEのメンバーとして公開された後、過去のモデル活動時代の写真が発掘されました。その中には、別の女性モデルと肌を寄せ合い、親密な雰囲気を醸し出す作品が含まれていました。これらの写真は芸術的なポートフォリオの一部であり、彼女自身が同性愛者であることを公言しているわけではありません。しかし、韓国の一部のオンラインコミュニティでは、これらの写真が「アイドルのイメージにふさわしくない」「衝撃的だ」として拡散され、批判の対象となりました。

背景:K-POPの「グローバルスタンダード」はどこにあるのか?

この騒動を理解する上で重要なのは、KATSEYEが従来のK-POPグループとは異なる成り立ちを持つ点です。このプロジェクトは、オーディション番組『The Debut: Dream Academy』を通じて、世界中からメンバーを選抜。目的は、K-POPの制作システムを基盤にしつつも、欧米市場を主戦場とする「グローバルポップグループ」を創出することにあります。そのため、メンバーの国籍やバックグラウンドは極めて多様です。この「グローバル基準」を目指すグループのメンバーが、K-POPの伝統的な「スキャンダル」の文脈で裁かれるという、ねじれ現象が起きているのです。

世界のSNSを駆け巡る「擁護」の声:海外の反応

韓国国内の反応とは対照的に、海外のK-POPファンの間では、マノンを擁護し、今回の騒動自体を批判的に見る声が圧倒的多数を占めています。彼らの視点からは、この一件がK-POP業界の閉鎖性や、時代遅れの価値観を象徴しているように映っています。

  • 「これはスキャンダルじゃなくてアート。人々はもっと成熟すべき。2024年にもなって、まだこんなことで騒いでいるなんて信じられない。」 (出典: X/Twitter)
  • もしこれが原因で彼女がデビューできなくなったら、K-POP界におけるLGBTQ+の人々に対する最悪のメッセージになる。HYBEは正しく対処してほしい。」 (出典: Reddit)
  • 「アーティストが過去に芸術的でクィアなテーマの撮影をしているなんて…西洋では文字通り何の問題にもならない。むしろ表現の幅が広いアーティストとしてプラス要素だ。」 (出典: X/Twitter)
  • 彼女はアイドルになる前にモデルだった。モデルが仕事で様々なコンセプトの写真を撮るのは当たり前。これを問題視する方がおかしい。」 (出典: YouTube)
  • 「みんなKATSEYEがグローバル市場向けのグループだって忘れてる。こういう『スキャンダル』は、むしろ海外で彼女たちの人気を高めるかもしれない。本物のアーティストだと証明しているようなものだから。」 (出典: TikTok)

PRISM Insight:単なる「炎上」ではない、K-POPの未来を占う試金石

今回のマノンを巡る一件は、単なるアイドルのゴシップではありません。これは、K-POPが真のグローバルカルチャーへと進化する過程で避けては通れない、文化的な「成長痛」の現れです。

文化的価値観の断層:国内市場 vs グローバル市場

最も重要な論点は、K-POPの主要な消費者層である韓国国内市場と、急速に拡大するグローバル市場との間に存在する、価値観の大きな隔たりです。韓国社会の一部には、依然としてアイドルの「純粋性」を求め、同性愛表現に保守的な見方が根強く残っています。一方で、欧米を中心とするグローバルなファン層にとって、多様性やLGBTQ+への肯定的な姿勢は、アーティストを支持する上で重要な要素です。マノンの写真は、後者の価値観を持つファンからは「美しいアート」「勇気ある表現」として受け止められ、むしろ好感度を上げる要因にすらなっています。

HYBEの「グローバル戦略」が試される時

HYBEとGeffen Recordsは、KATSEYEを「前例のないグローバルなガールズグループ」と位置付けています。このプロジェクトの成否は、このような文化的衝突にどう対処するかにかかっていると言っても過言ではありません。もし彼らが国内の批判的な声に屈するようなことがあれば、グローバル市場からの信頼を失いかねません。逆に、アーティストの過去の表現を尊重し、マノンを断固として守る姿勢を見せれば、それは「KATSEYEは新しい価値観を体現するグループである」という強力なブランドメッセージとなり、世界中の新しいファン層を惹きつけるでしょう。この一件への対応は、HYBEのグローバル戦略の真価と、K-POPの未来の方向性を占うリトマス試験紙となるのです。

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