バンクシー新作、ロンドンに出現。今度のテーマは「星を見上げる子供たち」

ロンドン市内にバンクシーの新作壁画が出現。センターポイント・タワーとクイーンズ・ミューズで確認された作品は、星空を見上げる2人の子供を描いた思索的な内容で、以前の批判的な作風からの変化が注目されます。

匿名アーティストのバンクシーが、ロンドン市内の2カ所に新たな壁画を制作したようです。オンラインメディア「Boing Boing」が報じたところによると、今回の作品は、地面に寝そべって空を見上げる2人の子供を描いた、思索的な内容となっています。

作品が確認されたのは、ロンドン中心部のトッテナム・コート・ロードにあるセンターポイント・タワーの外壁と、ベイズウォーターのクイーンズ・ミューズの2カ所です。描かれた子供のうち1人は、指で空を指しており、見る者に静かな希望や好奇心を想起させます。

この作品は、バンクシーが数ヶ月前に当局を苛立たせた辛辣な批判を含む作品を発表して以来、初めて公になったものとみられます。以前の対立的な作風とは対照的に、今回はより普遍的で穏やかなテーマを選んだようです。

PRISM Insight: バンクシーの作風の変化は、社会のムードを反映しているのかもしれません。直接的な政治批判や社会風刺から、普遍的な人間性や純粋な驚きといったテーマへの移行は、情報過多で分断が進む現代において、アートが「闘争の道具」から「繋がりのための媒介」へとその役割を変化させつつあることを示唆しています。

Related Articles