ミャンマー総選挙、戦火の中で強行へ:軍事政権が支配する国土は半分のみ
ミャンマー軍事政権が2021年のクーデター後初の総選挙を強行。しかし内戦により国土の約半分しか支配できておらず、選挙の正当性に大きな疑問符がついている。
銃口の下で、民主主義は機能するのか?ミャンマーの軍事政権は、今週末の12月28日(日)に総選挙の第一段階を実施すると発表した。これは2021年2月のクーデター以降、初めての国政選挙となるが、深刻な内戦により国土の約半分しか支配できていない状況での強行となる。
「正常な国家」への見せかけ
日経アジアの報道によると、今回の選挙は、国軍が後ろ盾となる連邦団結発展党(USDP)の支持者らが首都ネピドーで選挙運動を開始するなど、着々と準備が進められているように見える。しかし、その裏では全土で民主派勢力や少数民族武装勢力との戦闘が激化している。軍事政権が実効支配する地域は国土の約50%にとどまるとみられており、多くの地域で投票が物理的に不可能な状態だ。
正当性の欠如と国際社会の視線
専門家らは、この選挙が軍事政権の支配を正当化し、国際社会からの承認を得るための政治的パフォーマンスであると指摘する。しかし、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)の主要メンバーの多くが投獄・訴追されている現状では、自由で公正な選挙とは到底言えない。多くの西側諸国は、選挙の結果を承認しない可能性が高いとみられる。この選挙が、ミャンマーの孤立をさらに深める結果となることも懸念されている。
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