ヤフー元CEOマリッサ・メイヤー氏、AIアシスタント「Dazzle」で再起へ。シードで800万ドル調達

ヤフー元CEOのマリッサ・メイヤー氏が、前スタートアップSunshineを閉鎖し、新たにAIアシスタント企業「Dazzle」を設立。著名投資家カーステン・グリーン氏主導で800万ドルを調達し、次世代消費者向けAI市場に挑みます。

ヤフーの元CEOである氏が、生成革命の最前線に復帰します。テッククランチの報道によると、同氏は過去6年間手がけてきたスタートアップ「」を閉鎖し、次世代のパーソナルアシスタントを開発する新会社「」を設立しました。Dazzleはすでに著名な投資家からのシード資金を調達し、その評価額はに達しています。

今回の資金調達ラウンドは、消費者向けブランドへの投資で実績のあるの氏が主導しました。メイヤー氏自身も自己資金を投じていますが、同氏はグリーン氏がリードインベスターであることを強調しています。グリーン氏はこれまでWarby ParkerやChimeといった象徴的なブランドを発掘してきたことで知られており、彼女の出資はへの大きな信頼の証と言えるでしょう。メイヤー氏は「彼女は人々とプラットフォームがどこへ向かっているのか、素晴らしい感覚を持っていると思います」と語っています。

グリーン氏は以前テッククランチに対し、企業向けが先行したものの、消費者向けは「遅咲き」であり、いよいよ本格的な普及期を迎えるとの見解を示していました。今回の投資は、その波に乗る動きと見られます。

メイヤー氏の前社は、2018年にLumi Labsとして設立され、連絡先管理や写真共有アプリを提供しましたが、大きな成功を収めるには至りませんでした。同社は合計でを調達したものの、プライバシーへの懸念や時代遅れと評されたデザインなどが原因で、広く普及することはありませんでした。メイヤー氏自身も、が取り組んだ問題はあまりに「ありふれて」おり、規模が小さすぎたと率直に認めています。

チームは2025年の夏にのプロトタイプ開発に着手し、その野心と機会の大きさにすぐに魅了されたと言います。メイヤー氏は、の20番目の従業員としてGoogle検索やマップの開発を率いた経験を振り返り、「人々の行動様式を真に変えた2つの会社に在籍できたのは、稀有な特権でした。再びそのようなインパクトを持つ製品を作りたい」と抱負を述べています。は、2026年初頭にステルスモードを解除し、正式にサービスを公開する予定です。

PRISM Insight: 「失敗」という資産

シリコンバレーでは、著名な起業家が過去の失敗から得た教訓と人脈を「資産」として、次の大きな波に乗るというパターンが見られます。AI開発競争が激化する中、未知の創業者による斬新なアイデアよりも、メイヤー氏のように失敗を乗り越えた経験と実績を持つリーダーへの信頼が、トップクラスの投資家を惹きつける重要な要素となっているのです。

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