日本のH3ロケット、衛星「みちびき5号」の軌道投入に失敗
日本のH3ロケットが測位衛星「みちびき5号」の軌道投入に失敗。文部科学省が発表。第2段エンジンの早期停止が原因と見られ、JAXAが調査を進めています。日本の宇宙開発計画への影響を解説します。
核心部分
日本の文部科学省によると、日本の新型主力ロケット「H3」が月曜日、測位衛星「みちびき5号」を搭載して打ち上げられましたが、予定されていた軌道への投入に失敗しました。宇宙航空研究開発機構（JAXA）は現在、状況の評価と原因の究明を進めています。
打ち上げの詳細
ロケットは月曜日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。JAXAによると、打ち上げ直後に第2段エンジンの早期停止が発生したことが失敗の原因と見られています。この打ち上げは、当初12月7日に予定されていましたが、ロケット本体や地上設備で異常が検出されたため、先週水曜日、そして月曜日へと2度にわたり延期されていました。
「みちびき」とは？「みちびき」は準天頂衛星システムの愛称で、日本版GPSとも呼ばれる測位システムです。米国のGPSを補完し、スマートフォンやカーナビゲーションに不可欠な、より高精度な位置情報サービスを提供することを目的としています。JAXAによれば、都市部のビル街や山間部など、従来のGPS電波が届きにくかった場所でも、日本国内をほぼ100%カバーできるようになります。
日本の宇宙戦略への影響
日本は2018年から4基体制で「みちびき」の運用を開始しており、今年2月には6号機が打ち上げられました。今回の5号機が成功していれば、目標としていた7基体制が完成する予定でした。この7基体制が整うと、常に最低1基の衛星が日本の真上にある状態が維持され、アジアやオセアニア地域にもサービス範囲が拡大される計画でした。
JAXAは最終的に11基の測位衛星を軌道上に配置し、技術的な問題が発生した場合の冗長性を確保し、さらなるカバレッジ拡大を目指しています。今回の失敗は、日本の宇宙インフラ構築計画にとって痛手となる可能性があります。
PRISM Insight: 今回の打ち上げ失敗は、日本の宇宙開発における信頼性とコスト競争力の両立という長年の課題を改めて浮き彫りにしました。H3ロケットは、国の安全保障を支える衛星打ち上げの自律性を確保し、急成長する商業衛星市場で競争するための切り札でした。この失敗は、日本の宇宙戦略の再評価を促す重要な転機となるかもしれません。
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