英国、ウィルファ原発計画を再始動：韓国・米国企業と協議、エネルギー安全保障の切り札となるか

英国政府は12月22日、ウェールズ北部アングルシー島にあるウィルファでの新規大型原子力発電所建設計画を正式に推進すると発表しました。エネルギー安全保障の強化と2050年までのネットゼロ目標達成に向けた動きの一環で、韓国電力公社（KEPCO）や米国の建設大手ベクテル社など、国際的なパートナー候補と協議を進めていることも明らかにされました。

政府の発表によると、この新設計画は、英国のエネルギー供給を安定させ、変動の激しい国際ガス価格への依存を減らすことを目的としています。英国は、2050年までに総発電容量の4分の1にあたる最大24ギガワット（GW）を原子力で賄うという野心的な目標を掲げており、ウィルファはその中核を担う大規模（ギガワット級）プロジェクトと位置づけられています。

計画を主導するのは、政府が設立した「グレート・ブリティッシュ・ニュークリア（GBN）」です。GBNは今後、市場関係者との対話を開始し、プロジェクトへの民間投資を呼び込むとともに、最適な技術パートナーを選定する役割を担います。政府は、ウィルファの他に小型モジュール炉（SMR）の開発も並行して進めており、多角的な原子力戦略を展開しています。

クレア・コウティーニョ エネルギー安全保障・ネットゼロ大臣は次のように述べています。「私たちは、英国の家庭や産業界のために、よりクリーンで安価、そして安全なエネルギーを供給するという約束を果たします。ウィルファは世界トップクラスの原子力用地であり、ここでのギガワット級発電所の建設は、地域経済を活性化させ、英国全体のエネルギー安全保障を強化する上で極めて重要です。」

ウィルファでのプロジェクトが実現すれば、建設段階から運転期間を通じて数千人規模の雇用を創出し、地元アングルシー島に大きな経済的恩恵をもたらすと期待されています。英国政府は、国際的な専門知識と民間資本を組み合わせることで、かつて頓挫した計画を成功に導き、エネルギー自給率向上という国家目標を達成したい考えです。