シドニー銃撃テロから11日、ボンダイビーチに響く追悼とクリスマスの声

シドニーのボンダイビーチで15人が犠牲になったテロ事件から11日。クリスマスに再び人々が集まりましたが、その裏には追悼と、銃規制や反ユダヤ主義をめぐる政治的課題が横たわっています。

悲劇からわずか11日、オーストラリア・シドニーの有名なボンダイビーチには、サンタ帽をかぶった人々が再び集まりました。しかし、12月14日に15人の命を奪ったテロ事件の記憶は生々しく、祝祭の雰囲気の中にも緊張と追悼の念が漂っています。

警戒と日常が交差するビーチ

AP通信によると、2025年12月25日のボンダイビーチには、クリスマスを祝う数百人の人々が集まりましたが、その周辺では警察が厳重な警備にあたりました。強風のため例年より人出は少なかったものの、人々はクリスマスツリーの横で写真を撮るなど、日常を取り戻そうとしていました。しかし、事件現場近くの歴史的建造物ボンダイ・パビリオンには半旗が掲げられ、事件の重さを物語っています。

「悲劇的な出来事であり、誰もが犠牲者に敬意を払い、悲しんでいると思います。人々がビーチにいるのは、お祝いではありますが、誰もが事件を記憶に留め、敬意を払っているのです」と、英国人観光客のマーク・コンロイ氏はロイター通信に語りました。

— マーク・コンロイ氏（英国人観光客）

深まる政治的波紋

この事件は、ユダヤ教の祝祭「ハヌカ」の最中に発生し、オーストラリアでは過去約30年で最悪の銃乱射事件となりました。警察は、過激派組織「イスラム国」に触発された父子の犯行との見方を示しています。事件を受け、国内では銃規制の強化や反ユダヤ主義への対策を求める声が高まっています。

追い打ちをかけるように、クリスマス当日にはメルボルンで「ハッピー・ハヌカ！」と書かれた車が放火される事件も発生しました。アンソニー・アルバニージー首相は、「理解を絶する邪悪な思想だ」と強く非難しましたが、野党からは反ユダヤ主義の台頭を抑えられていないとの批判に直面しています。

警戒と日常が交差するビーチ

深まる政治的波紋

Related Articles