「ずっとこのやり方なので」職場の非効率なルール39選に共感の嵐

あなたの職場は、本当に2025年でしょうか？ あるオンラインコミュニティで投げかけられた「職場で目撃した『ずっとこのやり方なので』の最も腹立たしい例は？」という質問に、世界中のネットユーザーから共感と驚きの声が殺到しています。非効率なルールは、単なる笑い話では済まされない、生産性を蝕む深刻な問題です。

デジタル時代の「紙とペン」信仰

最も多く寄せられたのは、テクノロジーを無視した時代錯誤な業務プロセスに関する体験談です。あるユーザーは、かつての同僚ドリスさんの奇妙な仕事ぶりを共有しました。彼女はメールで届いたPDFを2部印刷し、それを2回スキャンして、別々のデジタルファイルに保存していたといいます。これは、かつて郵便やFAXで書類を受け取っていた頃の習慣を、そのままデジタル時代に持ち込んだ結果でした。

他にも、「2023年になっても書類をFAXで送るよう強制された」「請求書を印刷し、手書きのサインをもらい、再度スキャンしてメールで送っていた（システムには電子承認機能があったにもかかわらず）」など、信じがたい報告が相次ぎました。まるで時間が止まったかのようなこれらの慣習は、従業員の貴重な時間を奪い、フラストレーションを溜め込む原因となっています。

なぜ変化を恐れるのか？

多くの職場が時代遅れの慣習に固執するのはなぜでしょうか。ハーバード・ビジネス・スクールによると、その一因は「快適さ」にあります。たとえ非効率であっても、慣れ親しんだ手順は安心感を与えます。新しいツールやワークフローを学ぶことは、一部の管理職にとって未知のリスクであり、自らの知識不足を認めることにも繋がりかねません。その結果、予測可能な非効率性が、不確実な改善よりも優先されてしまうのです。

ある企業では、会計ソフトウェアの更新プロジェクトが、旧ソフトウェアと同じ見た目や操作性を求めるあまり、2年も遅延し、予算を超過したといいます。これは、変化そのものへの抵抗が、いかに大きな損失を生むかを示す典型的な例と言えるでしょう。従業員が改善を提案しても、「監査部門がこのやり方を好むから」といった根拠のない理由で却下されることも少なくありません。

現状維持という名の停滞

リモートワークで高い生産性が証明されたにもかかわらず、「オフィスで姿が見えないと仕事をしているか分からない」という理由で出社を強制する「オフィス復帰命令」も、この種の思考停止の一例として挙げられています。テクノロジーの進化によって働き方が多様化したにもかかわらず、旧来の管理手法に固執することは、企業の成長を妨げるだけでなく、優秀な人材の流出にも繋がりかねません。