SNL年末放送、エプスタイン文書を痛烈風刺―「世界中の子供に会いに空を飛ぶ男」とのジョークも

2025年最後の放送となった米国の人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ（SNL）」が、物議を醸しているジェフリー・エプスタイン関連文書をテーマに、辛辣な風刺を連発しました。番組は、金曜日に公開された後、土曜日には一部が不可解に消えたとされる同文書を、冒頭から徹底的にネタにしました。

番組はジェームズ・オースティン・ジョンソン演じるドナルド・トランプ氏が登場する寸劇からスタート。その後も人気コーナー「ウィークエンド・アップデート」で、この問題に繰り返し言及しました。

アンカーのコリン・ジョスト氏は、「この時期になると、みんな『世界中の子供たちに会うために空を飛ぶ男』の話をしますよね…ジェフリー・エプスタインのことです」と、クリスマスシーズンに絡めたブラックジョークを披露。相方のマイケル・チェ氏も、司法省が金曜日に全文書を公開できなかった理由について、「黒インクが尽きたからだろう」と皮肉を述べました。

「司法省が全文書を公開できなかったのは、単に『黒インクが尽きた』からだろう」

ウィークエンド・アップデートでは、他にも政治的な話題が取り上げられました。トランスジェンダーの肯定医療を禁止するロバート・F・ケネディ・ジュニア氏の動きや、マージョリー・テイラー・グリーン議員の婚約、そしてトランプ前大統領の健康問題などが風刺の対象となりました。

さらに、ホワイトハウスのスージー・ワイルズ首席補佐官らがトランプ氏を「アルコール依存症者の人格」と評したヴァニティ・フェア誌のインタビューも話題に。これに対しジョスト氏は、「おい、俺の友達のマイケル・チェを彼と比べるのはやめてくれ」と返し、笑いを誘いました。

PRISM Insight: SNLのような長寿番組が、エプスタイン事件のような深刻で物議を醸すニュースを笑いに変えることで、社会がタブー視されがちな話題を消化し、権力に対する説明責任をユーモアという形で求める「文化的圧力弁」としての役割を担っていることを示しています。これは、エンターテインメントが世論形成において無視できない影響力を持つ現代的な証左です。