三井住友FG、米PE2社と35億ドル規模のファンド設立へ 欧州M&A市場に照準
三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)が、米PE大手のベイン・キャピタル、ムジニッチと提携。約35億ドル規模の共同ファンドを設立し、来年から欧州企業のM&Aファイナンス事業に本格参入する。
日経新聞が関係者の話として報じたところによると、日本の金融大手「三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)」は、米国のプライベートエクイティ(PE)企業2社と提携し、欧州企業のM&A(合併・買収)を支援するファンドを来年から運営開始する模様です。ファンドの規模は総額で約35億ドル(約5250億円)に上ります。
金利上昇を追い風に、海外へ
今回の提携先は、世界的な投資会社である「KKR」と、クレジット投資に強みを持つ「Ares Management」です。この動きの背景には、日本の金利上昇があります。国内での収益環境が改善したことで、SMFGはより高いリターンを求めて海外のM&Aファイナンス市場へ積極的に資金を振り向ける余力が生まれたとみられます。
欧州市場でのシナジー創出
このファンドは、SMFGの顧客である日本企業などが欧州でM&Aを行う際の資金調達を支援することを目的としています。実績のある米PEファンドと組むことで、案件発掘能力とリスク管理能力を高め、欧州のプライベートクレジット市場での存在感を一気に引き上げる戦略です。
今回のSMFGの動きは、日本の「失われた30年」の終わりを象徴する出来事の一つと捉えられます。国内金利の正常化で得た収益を、より高利回りの海外資産に再投資する。これは、日本のメガバンクが新たなグローバル投資戦略フェーズに入ったことを示す力強いシグナルです。
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