ロシア、聖夜に650機のドローン攻撃 ウクライナ全土で停電、停戦交渉の行方は

平和への祈りが響く聖夜を前に、ウクライナの空は再び暗い影に覆われました。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、12月22日月曜の夜からロシア軍が「大規模攻撃」を開始したと発表しました。この攻撃で少なくとも3人が死亡し、13の州が650機のドローンと30発のミサイルの標的となったとされています。

全土に広がる被害とエネルギー危機

ロイター通信によると、被害はウクライナ全土に及んでいます。中部ジトーミル州では4歳の少女が命を落とし、首都キーウ州では女性1人が死亡、西部フメリニツキー州でも1人の死亡が確認されました。各地で複数の負傷者も報告されています。

ウクライナのエネルギー省は、ロシア軍がエネルギーインフラを標的にしたため、国内の複数地域で「緊急停電」が導入されたと発表しました。特に国境地帯では戦闘が続いているため、電力復旧は困難を極めているとしています。

双方の攻防と外交の動き

ウクライナ軍も反撃を続けています。ウクライナ外務省は、F-16戦闘機のパイロットが火曜の夜、ロシアの「空中目標」673のうち621を撃墜したと発表しました。一方で、東部ドネツク州のシヴェルスク周辺では、ロシア軍の「著しい優位」によりウクライナ軍が撤退したことも明らかにしました。

ロシア側もウクライナからの攻撃について発表しています。国営タス通信によると、ロシア国防省は1日でウクライナのドローン56機を撃墜したと主張。また、国境を接するベルゴロド州では、月曜と火曜のドローン攻撃で合計4人が死亡したと報告されています。

戦闘が激化する一方、水面下では外交交渉も進展しているようです。ゼレンスキー大統領は「アメリカが最終合意に達したがっていると感じる」と述べ、ウクライナの安全保障や復興、戦争終結の枠組みに関する複数の文書草案が準備されていることを示唆しました。教皇レオは、ロシアが12月25日の停戦に合意しないことに「大きな悲しみ」を表明し、改めて平和を呼びかけています。