マクドナルド従業員、給与が4倍の118万円に？ フランスで起きた給与誤送金事件とその法的義務

フランスのマクドナルドで働くある従業員が、通常の4倍近くに相当する6,888.88ユーロ（約118万円）の給与を誤って受け取るという出来事がありました。この従業員が給与明細をTikTokに投稿したことで、この一件は瞬く間に世界中の注目を集めました。しかし、この思わぬ「ボーナス」は、法的な返済義務を伴うものです。

偶然の「幸運」の経緯

この従業員の通常の月給は約1,700ユーロ（約29万円）です。しかし、会社側の給与計算ミスにより、その4倍を超える金額が口座に振り込まれました。従業員は自身のTikTokアカウントで、「これでマクドナルドを辞められる」と冗談めかして喜びを表現する動画を公開。この動画は大きな話題を呼び、多くのメディアで報じられることとなりました。

法的には返済義務あり：不当利得とは？

多くの人が「ラッキー」と感じるかもしれませんが、法的な観点からは話が異なります。法律上、誤って支払われた過払い金は「不当利得」と見なされ、受け取った側には返還する義務が生じます。これはフランスだけでなく、日本を含む多くの国で共通の法的原則です。

会社側は従業員に対して過払い分の返還を要求する権利があり、従業員がこれに応じない場合、法的な措置を取ることも可能です。もし既にお金を使ってしまっていたとしても、返済の義務が免除されるわけではありません。

企業における給与計算ミスのリスク

今回のような給与計算ミスは、人為的なエラーやシステムの不具合など、さまざまな原因で発生し得ます。企業にとっては、金銭的な損失だけでなく、従業員との信頼関係の悪化や、今回のようにSNSを通じて評判が拡散するリスクも伴います。正確な給与計算システムの構築と、二重チェック体制の徹底が、企業運営において極めて重要であることを示唆しています。