1ドル1480ウォン台の危機、韓国国民年金が為替ヘッジ再開でウォン防衛へ
韓国ウォンが約16年ぶりの安値水準に迫る中、国民年金サービス(NPS)が通貨防衛のため戦略的為替ヘッジを再開。1ドル1480ウォン台の危機に対し、政府とNPSがどう動くのか解説します。
あなたの海外旅行費用が、少し安くなるかもしれません。韓国ウォンが約16年ぶりの安値水準に迫る中、韓国の国民年金サービス(NPS)が通貨防衛のために再び動き出しました。複数の関係筋によると、NPSは戦略的な為替ヘッジ操作を再開したと伝えられています。
ウォン急落の背景:1ドル=1480ウォンの攻防
今回の動きは、ウォンが心理的な節目である1ドル=1450ウォンを11月に割り込み、下落圧力が続いていたことが背景にあります。今週火曜日には一時1483.6ウォンまで下落し、約16年ぶりの最安値に近づきました。これを受け、韓国の通貨当局は「過度なウォン安」であると強い口調で口先介入を実施。市場の安定化に向けた「強い意志」を示すと表明していました。
この介入後、ウォンは水曜日に33.8ウォン急騰し、終値は1449.8ウォンと3年以上で最大の上昇幅を記録。本日午前11時50分時点では、さらに値を戻し1ドル=1431.95ウォンで取引されています。
「国家の財布」国民年金はどう動くのか?
NPSが再開した為替ヘッジは、韓国銀行(BOK)との通貨スワップ協定を利用するものです。これは、NPSがBOKにウォンを供給し、見返りに米ドルを受け取る仕組みです。これにより、NPSは外国為替市場で直接ドルを買い付ける必要がなくなり、ドル買い需要を緩和できます。
受け取ったドルは、新たな海外投資や既存の海外資産のヘッジに利用されます。結果として、NPSは市場でドルの「売り手」となり、ウォン相場を下支えする効果が期待されます。この制度は年末に期限切れとなる予定でしたが、1年間延長されたとのことです。
外国為替市場は非常に変動性が高く、政府や中央銀行の介入効果は一時的なものに終わる可能性があります。本記事の情報に基づいた投資判断は慎重に行ってください。
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