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ガザ紛争で「実戦テスト済み」、イスラエルの防衛輸出が過去最高150億ドルを記録
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ガザ紛争で「実戦テスト済み」、イスラエルの防衛輸出が過去最高150億ドルを記録

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2024年、イスラエルの防衛装備品輸出額が過去最高の150億ドルに達した。ガザ紛争で「実戦テスト済み」とされた兵器への需要が、特にヨーロッパで急増。国際的な司法判断や人道的懸念との間で、論争が深まっている。

リード:記録的な輸出と論争

イスラエル政府が2025年6月に発表した声明によると、同国の2024年における防衛装備品の輸出額が、前年比13%増の過去最高となる約150億ドルに達しました。この急増の背景には、ガザでの戦争で使用された兵器が「実戦でテスト済み(battle-tested)」として国際市場で評価を高めているという側面があります。

数字で見る輸出動向

輸出の内訳で最も大きな割合を占めたのは、ミサイル、ロケット、防空システムでした。最大の輸出先はヨーロッパで、2023年の36%から2024年には54%へと大幅に増加。次いでアジア太平洋地域が23%、米国が9%となっています。特にアジアではインドが主要な顧客国です。これにより、イスラエルは世界の武器輸出国トップ10の地位を固めています。

国際社会からの厳しい視線

この輸出記録は、イスラエルが国際司法裁判所(ICJ)で南アフリカからジェノサイド(集団殺害)の疑いで提訴され、国際刑事裁判所(ICC)がベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアヴ・ガラント前国防相に対し戦争犯罪の容疑で逮捕状を発行するという、極めて厳しい国際的批判の中で達成されました。

専門家が指摘する「魅力」と法的問題

著書『パレスチナ・ラボラトリー』の著者であるアントニー・ローウェンスタイン氏は、アルジャジーラの取材に対し、「イスラエルは『罪を免れる』というアイデアを売っている。それが多くの国にとって非常に大きな魅力となっている」と分析しています。

「(イスラエルの兵器を)購入する国々は、自分たちの行動が『違法』であることを認識しています。ジェノサイドが起きていることを知っており、第三国には戦争犯罪や人道に対する罪を犯している国との貿易を停止する法的義務があるのです」

– シル・ヘヴァー氏(イスラエル武器貿易専門家)

最先端技術と人々の現実

輸出されているのはミサイルだけではありません。顔認識技術などのAIを活用した監視ツールも含まれており、ヨルダン川西岸地区の数百カ所に設置され、ガザでも広範囲に使用されています。

2023年12月に拘束された後、解放されたパレスチナ人アフマド・ルバド氏は、イスラエルの監視技術の恐ろしさを証言します。「尋問で、イスラエル兵は私の妻の電話番号、新旧の住所、隣人や同僚全員の名前を知っていました。私は完全に監視され、すべてが暴露されていると確信しました」と彼は語りました。

また、ガザの市民が受けた直接的な被害も報告されています。カリーム・アル=ビラウィ氏は、2024年にジャバリアの学校で起きたクアッドコプター(小型ドローン)による攻撃で、母親と3人の兄弟を失いました。「ドローンが部屋に入ってくるのが見えました。赤い閃光の後、煙が立ち上り、爆発と火災が起きました。母と叔母は叫んでいましたが、やがて全員が沈黙しました」と、彼は悲痛な体験を語りました。

ヨーロッパからの需要が急増する一方、スペインのようにイスラエルからの武器輸入に制限を課す国も出てきており、国際社会の対応は一枚岩ではありません。

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