韓国政界、統一教会疑惑で特別検察官導入へ急展開―与党「共に民主党」が方針転換

韓国政界が、「統一教会」を巡る疑惑を調査する特別検察官（特検）の導入に向けて大きく動き出しました。これまで慎重な姿勢を見せていた与党「共に民主党」が突如として受け入れを表明し、政局は新たな局面に入っています。

「統一教会」による政界への介入疑惑は、長らく韓国社会で問題視されてきました。これまでの警察や検察の捜査では、与野党双方にまたがる利害関係から真相究明に限界があると指摘されていました。世論調査でも特検導入を求める声が強く、今回の決定に繋がったとみられています。

特検導入の合意は、各党の利害が一致した結果と分析されています。しかし、捜査の主導権を巡る綱引きはすでに始まっています。

今回の特検が調査対象とする疑惑は、与野党を問わず広範囲に及んでいます。金建希（キム・ゴンヒ）大統領夫人が統一教会関係者からダイヤモンドのネックレスや高級バッグを受け取ったとされる疑惑や、「国民の力」の権性東（クォン・ソンドン）議員が1億ウォン（約1000万円）の違法な政治資金を受け取った疑惑が浮上。さらに、統一教会の関係者が「共に民主党」の田載秀（チョン・ジェス）議員にも数千万ウォンと高級時計を渡したという証言も出ており、疑惑は与党にも広がっています。

韓国ギャラップの最近の世論調査によると、回答者の62%が特検の導入が「必要だ」と回答。特に、共に民主党の支持層でも67%が賛成しており、この高い支持率が党指導部の決断を後押しした可能性が高いと見られています。国民の厳しい視線が注がれる中、迅速かつ公正な真相究明が求められます。