カナダ、新駐米大使に元ブラックロック幹部を任命 米との貿易交渉の難局に備え
カナダが元ブラックロック幹部のマーク・ワイズマン氏を新駐米大使に任命。トランプ政権による関税で悪化した関係の修復と、1月に始まるUSMCA再交渉が最大の課題となる。
カナダは22日、米投資運用大手ブラックロックの元幹部であるマーク・ワイズマン氏を新しい駐米大使に任命したと発表しました。ドナルド・トランプ米大統領の政策で緊張が高まる米加関係の管理と、近く予定される貿易・関税交渉が、ワイズマン氏の任期中の最重要課題となる見通しです。
ワイズマン氏は、国境警備の確保や貿易・投資関係の強化といった、カナダと米国の優先事項を前進させる政府の取り組みに大きく貢献してくれるでしょう。
カーニー首相は声明で、ワイズマン氏がトランプ政権によって課された関税で悪化した二国間関係の舵取りを担うことへの期待を表明しました。かつての同盟国に対する経済的な敵対行為と広く見なされた米国の措置は、カナダ国内で強い反発を招いていました。
トランプ政権はこれまで、複数回にわたってカナダを標的とした関税措置を講じてきました。カナダからの移民やフェンタニル(強力な合成オピオイド)の流入阻止が不十分だとして25%の包括的関税を課しましたが、データによれば米国に密輸されるフェンタニルのごく一部しか米加国境を越えていないのが実情です。その後も、自動車、鉄鋼、アルミニウムの輸入品に広範な関税を課し、これらはいずれもカナダに不釣り合いなほど大きな影響を与えました。
米加間の経済的な結びつきは極めて強く、毎日およそ27億ドル相当の商品やサービスが国境を越えています。また、カナダは米国の36州にとって最大の輸出先です。カーニー首相は今後の関係について、カナダの経済的利益を守る姿勢を強調しつつも、「米国の政策は我々がコントロールできる範囲を超えている」と述べ、現実的な見方を示しています。
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