『アバター：ファイア＆アッシュ』が世界興収3.45億ドルで市場を席巻、年末商戦に火をつける

ジェームズ・キャメロン監督の待望の新作『アバター：ファイア＆アッシュ』が、公開初週末で全世界興行収入3億4500万ドルという驚異的な数字を記録し、興行チャートの頂点に立ちました。米国国内では8800万ドルのオープニング成績となり、5週連続で大型作品が市場を牽引する好調な流れを決定づけています。

この国内成績は、2022年公開の前作『アバター：ウェイ・オブ・ウォーター』の1億3400万ドルからは若干の減少となりましたが、2009年の第1作『アバター』が記録した7700万ドルは上回っています。コムスコアによると、アバターシリーズは伝統的にクリスマス直前に公開され、年末年始にかけて長期的に観客を動員する「息の長い」興行となる傾向があり、今回も同様の成功が期待されます。

『ファイア＆アッシュ』の成功は、一時は停滞が懸念された2025年の米国映画市場が完全に活気を取り戻したことを象徴しています。『ウィキッド：フォー・グッド』、『ズートピア2』、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ2』といった先行作品に続く5週連続のメガヒットとなり、これらの作品の累計興行収入はすでに7億ドルを超えています。

今週末は新作ラッシュとなり、他にも3作品が国内チャート上位にランクインしました。第2位には、キリスト教系製作会社エンジェル・スタジオによるアニメミュージカル『デビッド』が2200万ドルで初登場。第3位には、シドニー・スウィーニーとアマンダ・サイフリッド主演のエロティックスリラー『ハウスメイド』が1900万ドルという予想外のヒットを記録。そして第4位には、人気アニメの映画版『スポンジ・ボブ：スクエアパンツを探せ！』が1600万ドルで続いています。

PRISM Insight: 『アバター』シリーズの成功は、単なる映画ヒット以上の現象を示唆しています。それは、家庭用ストリーミングでは再現不可能な「劇場でのみ体験可能なスペクタクル」への渇望です。特に大型フランチャイズは、共有体験を求める観客を映画館に呼び戻す、現代における最も強力な「イベント」としての役割を担っているのです。

来週末は『アバター』のような確実な大ヒット作の公開予定はありませんが、ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンが主演する『ソング・サング・ブルー』がサプライズヒットとなる可能性も秘めています。